三十輻共一轂、當其無有車之用。挻埴以爲器、當其無有器之用。鑿戸牖以爲室、當其無有室之用。故有之以爲利、無之以爲用。
三十の輻は一轂を共にし、其の無に當りて車の用有り。埏埴して以て器と爲し、其の無に當りて器の用有り。戸牖を鑿ちて以て室と爲し、其の無に當りて室の用有り。故に有の以て利を爲すは、無の以て用を爲せばなり。
- 輻=車輪の矢。
- 轂=こしき。車輪の中心にあって軸を通し輻を集めている部分。
- 埏埴=陶器を作るために土をこねる。
- 埏=土をこねてのびやすくする2316。
- 埴=はに。粘土。
- 牖=窓。
- 鑿=うがつの意。