無用第十一

三十輻共一轂、當其無有車之用。埴以爲器、當其無有器之用。鑿戸牖以爲室、當其無有室之用。故有之以爲利、無之以爲用。

三十(さんじふ)(ふく)一轂(いつこく)(とも)にし、其の無に(あた)りて(くるま)(よう)有り。埏埴(せんしよく)して以て(うつわ)と爲し、其の無に當りて器の用有り。戸牖(こゆう)(うが)ちて以て(しつ)と爲し、其の無に當りて室の用有り。故に有の以て利を爲すは、無の以て用を爲せばなり。

  • 輻=車輪の矢。
  • 轂=こしき。車輪の中心にあって軸を通し輻を集めている部分。
  • 埏埴=陶器を作るために土をこねる。
  • 埏=土をこねてのびやすくする2316。
  • 埴=はに。粘土。
  • 牖=窓。
  • 鑿=うがつの意。

第12章:檢欲

タイトルとURLをコピーしました