洪徳第四十五

大成若缺、其用不弊。大盈若冲、其用不窮。大直若屈、大巧若拙、大辯若訥。躁勝寒、靜勝熱。清靜爲天下正。

大成(たいせい)()くるが若く、其の用は(つまづ)かず。大盈(たいえい)(むな)しきが若く、其の用は(きは)まらず。大直(たいちよく)(くつ)するが若く、大功(たいかう)(せつ)なるが若く、大辯(たいべん)(とつ)なるが若し。躁は寒に勝ち、靜は熱に勝つ。清靜(せいせい)は天下の正を爲す。

  • 大成=真に大成した者。
  • 弊=つまずき倒れる。
  • 大盈=真に徳の満ちた者。
  • 冲=空虚なさま。
  • 大直=真にまっすぐな者。
  • 大功=真に(たく)みな者。
  • 拙=つたない。見劣りがする。まずい。
  • 大辯=真に雄弁な者。
  • 訥=話し方がなめらかでないさま。にぶい。口ごもる。

第46章:儉欲

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