出生入死。生之徒十有三。死之徒十有三。人之生動之死地十有三。夫何故。以其生生之厚。蓋聞、善攝生者、陸行不遇兕虎、入軍不被甲兵。兕無投其角、虎無所措其爪、兵無所容其刃。夫何故。以其無死地。
出でて生まれ入りて死す。生の徒十に三有り。死の徒十に三有り。人の生動きて死地に之くもの十に三あり。夫れ何故ぞや。其の生を生とするの厚きを以てなり。蓋し聞く、善く生を攝する者は、陸行して兕虎に遇わず、軍に入りて甲兵を被らず。兕は其の角を投ずる無く、虎は其の爪を措く所無く、兵は其の刃を容るる所無し。夫れ何故ぞや。其の死地無きを以てなり。
- 攝=安んずること。
- 陸行=陸上を旅行する。
- 兕=野牛の一種。一角でその皮はサイよりも堅厚で、鎧甲の材料となる。