天下有始、以爲天下母。既知其母、復知其子。既知其子、復守其母、没身不殆。塞其兌、閇其門、終身不勤。開其兌、濟其事、終身不救。見小曰明、守柔曰強。用其光、復歸其明、無遺身殃。是謂習常。
天下に始有り、以て天下の母と爲す。既に其の母を知り、復其の子たるを知る。既に其の子たるを知り、復其の母を守れば、身を没するまで殆からず。其の兌を塞ぎ、其の門を閉づれば、終身勤れず。其の兌を開き、其の事を濟せば、終身救はれず。小を見るを明と曰ひ、柔を守るを強と曰ふ。其の光を用ひて、復其の明に歸すれば、身に殃を遺すこと無し。是を習常と謂ふ。
- 兌=耳・目・口・鼻の穴。
- 濟=益す。成す。