寵辱若驚、貴大患若身。何謂寵辱若驚。寵爲上辱爲下。得之若驚、失之若驚。是謂寵辱若驚。何謂貴大患若身。吾所以有大患者、爲吾有身。及吾無身、吾有何患。故貴以身爲天下者、則可寄於天下。愛以身爲天下者、乃可以託於天下。
寵辱驚くが若く、大患を貴ぶこと身の若し。何をか寵辱驚くが若しと謂ふ。寵を上と爲し、辱を下と爲す。之を得ては驚くが若く、之を失ひては驚くが若し。是を寵辱驚くが若しと謂ふ。何をか大患を貴ぶこと身の若しと謂ふ。吾に大患有る所以は、吾に身有るが爲なり。吾に身無なきに及びては、吾に何の患か有らん。故に身を以て貴びて天下を爲むる者には、則ち天下を寄す可し。身を以て愛して天下を爲むる者には、乃ち天下を託す可し。
- 寵＝愛されること。
- 辱＝そしられること。
- 驚＝おどろく。心を動揺させる。
- 大患＝大きなわざわい。