歸元第五十二

天下有始、以爲天下母。既知其母、復知其子。既知其子、復守其母、没身不殆。塞其兌、閇其門、終身不勤。開其兌、濟其事、終身不救。見小曰明、守柔曰強。用其光、復歸其明、無遺身殃。是謂習常。

天下に(はじめ)有り、以て天下の母と爲す。既に其の母を知り、(また)其の子たるを知る。既に其の子たるを知り、復其の母を守れば、身を(ぼつ)するまで(あやふ)からず。其の(あな)(ふさ)ぎ、其の門を閉づれば、終身(しゆうしん)(つか)れず。其の兌を開き、其の事を()せば、終身救はれず。小を見るを明と曰ひ、柔を守るを強と曰ふ。其の光を用ひて、復其の明に()すれば、身に(わざはひ)(のこ)すこと無し。(これ)習常(しふじやう)と謂ふ。

  • 兌=耳・目・口・鼻の穴。
  • 濟=益す。成す。

第53章:益證

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