民不畏死、柰何以死懼之。若使民常畏死、而爲奇者、吾得執而殺之、孰敢。常有司殺者。夫代司殺者、是謂代大匠斲。夫代大匠斲者、希有不傷手矣。
民死を畏れずんば、柰何ぞ死を以て之を懼れしめん。若し民をして常に死を畏れしめて、而うして奇を爲す者は、吾執えて之を殺すを得ば、孰か敢てせんや。常に司殺者有り。夫れ司殺者に代る、是を大匠に代りて斲ると謂ふ。夫れ大匠に代りて斲る者は、手を傷けざる有ること希し。
- 奇=不正なことをして秩序を乱すこと。
- 司殺者=殺すことを司る者。天道。
- 大匠=すぐれた木工。大工の頭。
- 斲る=木を切ること。